サラリーマンと違い裁量範囲が圧倒的に広い
農林水産業の魅力を、実際の営農者の声に基づいて整理してみます。
IT関連の仕事をしていて兼業農家の実家を継ぐ形で独立して農業を営むようになった方は、元々生産していた水稲に加え1人でネギの栽培に挑戦し、水稲の作付面積の増加を図りながら、ミニトマトやホウレン草等の野菜の栽培に領域を広げ、生産体制を充実させました。
結婚後は、夫婦2人が主体となって農園経営を安定させ、様々な野菜類に挑戦し続けています。
農家の仕事は4月上旬の種まきからスタートし、10月の収穫作業までの夏場が繁忙期で、昼間気温の上がる時間帯は力仕事が出来ませんので、朝は5時頃から作業を始めることもあるそうです。
また、翌日早朝作業が控える日は早めの就寝が必要ですし、作業が夜遅くまでかかった翌日は始める時間を遅らせるなどの工夫も必要です。
作業は夏場だけではありません。
ホウレン草等、冬場に収穫期を迎える野菜もありますし、雪の多い地方であればハウスの除雪も必要で、会計事務も冬場の仕事です。
定期的に休暇を取るのは難しいのですが、自営業として栽培する野菜の種類や前の年の反省を踏まえた栽培方法の工夫などを決めるのは自分次第で、裁量範囲が広いことはとても魅力を感じるそうです。
努力次第で大きな収入が期待できることも魅力です。
自然にやさしいエネルギーとなる可能性
ある高校は、間伐材を水車の材料として活用し、木材の有効利用のみならず、水車で発電をする水車プロジェクトに取り組んでいます。
高齢化の進む過疎地域に水車エネルギーを核とした地域づくりを目指そうというのです。
間伐自体、森林を育てる上で、災害の防止や地球温暖化の原因の一つとされる二酸化炭素の閉じ込めの意味で大切な役割があるのですが、それに加えてクリーンなエネルギーの産出に結びつけば、人類のために素晴らしいことです。
関連産業に広がりがある
ある漁獲会社は、年々進む魚の値段の低迷や漁業従事者の高齢化という課題解決のため、「神経締め」という魚の鮮度維持に関連した先進技術を使い、付加価値アップと販売先の拡充を進めました。
また、獲った魚を自社で加工し販売する新たな分野に挑戦し、取組を開始した翌年には大きく売り上げを伸ばすことに成功しました。
従来のベテランの作業を 見て身体で覚える指導法ではなく、スキルをマニュアル化したことにより、若年層にも働きやすくなり、魅力ある仕事として、定着率も向上しました。
さらに、定着率の向上に伴い地元女性との結婚も増え、地方の活性化にも一役買う結果となりました。
今後は、益々魅力的な魚介類加工品作りにつとめ、雇用の創出等による町の活性化に貢献していくそうです。