シェアハウスとルームシェアの違い
ルームシェアは部屋を複数人で分けて使う事で、家賃についても住む個人同士の契約という事になり、同居人同士の信頼関係で成り立ちます。
家賃が10万円とした場合、同居人2人で家賃を折半して5万円ずつ出し合っていた際、何らかの理由でどちらかが退去すると残った住人の家賃負担は10万円に膨れます。
新たな同居人を探さなければ、最悪の場合は退去せざるを得ませんので、他人の都合で生活に大きな影響が出るリスクが有るのです。
一方のシェアハウスはオーナーまたは不動産管理業者と住人の直接契約で、賃貸料についても特段の特約がない限り、他の住人の都合の影響を受けて家賃等が変動するリスクは小さいと言えます。
高齢者に人気が高い理由
高齢者が暮らす住まいは自宅か福祉施設の何れかというケースが多く、一般の賃貸住宅は保証人等の問題があり有力な選択肢ではありませんでした。
シェアハウスの位置づけは自宅や施設ではない第3の住宅という中間的なもので、新しい選択肢として注目されるのです。
この住宅は一人で暮らす高齢者、あるいは老々介護(が予測される)夫婦二人世帯の希望に応えるべく登場しました。
とあるシニア女性向けハウスを運営する業者は、別の介護関連事業を複数行う企業です。
この企業は、介護タクシー事業を行う中で、元気なシニア世代でも収入が少ないと社会に出ていきにくいのだと感じました。
そこで、一人暮らしに不安を感じる方達が多いと感じて、シニア層が持てる力を合わせて共同生活が出来るシェアハウスを作ったそうです。
シェアハウスを作るに当たり念頭にあったのは、国民年金の月額67,000円程度の収入で暮らせる家賃に設定する事です。
そのため、築25年5LDKの古い2階建て住宅を高齢者向けに改造したそうです。
シェアハウスの定員は5名、家賃は3万円、あとは光熱費だけとなっています。
各居室にあるのは介護用ベッドと冷蔵庫などで、台所や居間、トイレ、バスルームは共用です。
介護が必要になれば運営会社のサービスを受ける事が出来るのがメリットです。
借家で一人暮らしを続ける方にとっては安心して心強い暮らしが送れることになるでしょう。
高齢者向けシェアハウス入居の注意点
シニア向けシェアハウスのメリットは家賃が低額で、他の入居メンバーと趣味を楽しめ、仲が良い方と暮らせれば充実感もあります。
需要は多いと見込まれますが、運営事業者の立場からは収益が見込みにくい側面があるため、なかなか普及していないのが現状です。
入居時の注意点として、要介護状態となった場合は継続居住が可能かを確認する事が大切です。
さらに、体験入居をして共同生活の雰囲気や入居者の方と合いそうかを確認しておきましょう。