高齢者がペットを飼う時の心得

ペットと暮らすメリット

高齢者がペットを飼い家族同様に暮らす事は、日常生活に刺激を与え、自然にコミュニケーションや笑顔が増えて、豊かな生活が送れるというメリットがあります。
なぜなら、ペットを見たり、触れ合ったりするだけでストレスが軽減され、穏やかな気持ちになれるからです。

このようなペットが高齢者に癒しを与える効果は認知症患者に対しても有効で、動物たちをアニマルセラピーとして活用する介護施設も多数あります。
素直な動物たちとうまく接する事で、充実した老後を過ごせますし、エリアによりペットとともに入居可能な施設も設置されているので、よりペットを身近に感じる機会が増えています。

ペットを飼うときに考えておくべきリスク

ペットと暮らす大きなメリットがある反面、課題も多いので、その点は高齢者と言えどもきちんと認識しておきましょう。
ペットとの暮らしでよくあることに、飼い主の高齢化に伴いペットのケアが大変になってくるなど、様々な問題が発生します。

体力

60代以降にペットを飼い始めた場合、当初は健康であったとしても少しずつ自分の体力が落ち、毎日の散歩などケアが大変になる、などという悩みが出てきます。
例えば中~大型の犬であれば、毎日かなりの距離の散歩が必要になりますが、足の衰えに伴って散歩も億劫になりがちです。

また、ペットのフンやおしっこの掃除もしなければいけませんよね。
飼い始めは小さくてかわいかったペットも、高齢になるに従い足腰が衰え、抱えておしっこをさせるなど介護も必要になります。

飼い主の入院

飼い主の高齢者が急な入院が必要となった場合、預け先に困るという問題もよく挙げられます。

高齢になるにつれ、ケガや病気で入院するリスクは高まり、期間は長くなる可能性が高くなるので、ペットをどこかに預ける必要があります。
一番安心なのはペットホテルの利用ですが、そもそも長期入院になるとそれだけペットホテル代もかかりますし、負担が増える一方なのです。

世話の引継ぎ

日本人の平均寿命は男性が80歳を超え、女性に至っては87歳とされます。
例えば、犬の場合平均寿命は10~14歳程度ですので、飼い始める年齢にペットの寿命を加算して、そのときに世話ができるかどうかを考える必要があるという事です。

最近、飼い主が先に他界したり世話が出来なくなったりしたという理由で、施設に保護されるペットが増加しています。
しかしながらペットが老犬や老猫の場合引き取り件数は低く、引き取り先が見つからない場合はかわいそうなことに殺処分となることになってしまうので、できればそんな結末は避けたいですよね。

もし自分が飼えなくなった場合でも、きちんと飼育を引き継いでくれる人を見つけておき、もしもの時に飼育権利を譲るということも考えておきましょう。

注意すべきポイント

ただし、問題点が多いからと言って、飼わない方がよいという訳ではありません。

まず、ペットを飼い始める条件として、日々の世話が困難なペットは避けるべきです。
具体的には体力があり運動量も多い大型犬やかまって欲しがる性質のペットは、精神的・体力的に大きな負担となるので注意しましょう。

また、金銭面での負担を減らすという意味でも、ペット専用の保険に加入しておくことも大切です。
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ペットは入院や通院をすると、医療費は全額負担になるので数万円で済むこともあれば、大きな手術になると数十万円はくだりません。
ただでさえ高齢者の場合には収入がないのに、追い打ちをかけるかのような負担は避けたいですよね。

自分の体力との相談はもちろんのこと、お金の面でも少しでも負担が減らせるようにペット保険に加入するなどして対策を取っておくことが大切です。


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